まずはダイナミックレンジを持つという事。
ダイナミックレンジというのは、最小値と最大値の比率の事をいいますが、音楽でもよく使う言葉で、音楽の場合は最小の音量と最大の音量の幅を持った演奏と私は解釈してます。アコギ一本やアコースティック小編成の場合は、基本的にバンドより音量が小さいですが、エレアコの時代なので許される限り全体音量をあげ、静かに弾く〜迫力を出す等々でダイナミックレンジを稼げばバンドに負けずとも劣らずの演奏が可能ですね。
いつも洋楽アーティストばかり紹介してますが、残念ながらそのあたりは洋楽アーティストが数倍先に行っていて、さらに洗練されてオシャレ。常にアンサンブルや歌のバッキングの見本になります、洋楽は私のギターの先生です(笑)
特にアコギ一本だと、せいぜいやってもアルペジオで始まってサビがストロークぐらいでしょうか、つまりダイナミックレンジを作るには、アルペジオをただ同じ音量で隙間なく弾くのではなく、時にはスカスカに1,2音でチャランとでもよし、さりげなくブレイクをしてもよし、隙間を開ける工夫(ひとりアレンジ奏法)をする。それによって最小値をもっと下げます、実は静かで危険な程の最小値はスリルと緊張感をもたらすんです。それありきで中音の音量、かき鳴らす大音量を意識して常に演奏するという事です。
下記の演奏はそれが完成していると私は思います。演奏にとっても気を使っています、アコギ2本で充分なバッキング、ベースもドラムスも要らないという感じがしませんか? こういう風にバランスをとれた状態を“アンサンブル”がいいと言います、編曲とは違って楽器の編成と使いこなしです。
しかし、まだまだ私を含めて日本人は洋楽アーティストの洗練度、注意深い演奏には届かないと思います、特にシンガーソングライターはギターに気を使っていません。音楽はただ演るだけではなく、こういった演奏を聴いて、頭で理解し、取り入れる事がとっても大事だと今更ながら思っています。しばらくギターを弾くのをひかえて、頭で考える、研究する時間を持ちましょう、弾くのと同じぐらい重要なんです。