★フォークの歴史
アメリカでのフォーク・ミュージックの歴史を辿ると、フォークソングの父と言われている「ウディ・ガスリー」が1940年に台頭した事が始まりのようで、Wikiによると「彼は世界的経済危機の時代にホーボー(放浪)をしながら、貧困や差別などに翻弄される労働者らの感情を歌にして演奏した」とある。次第にこれらのジャンルは人種差別反対、戦争反対などの社会的なメッセージを込めたプロテストソングというジャンルとなった。
その次世代として、アラウンド1960年には、彼を敬愛していたボブ・ディラン、ジョンバエズ等を始め、ブラザース・フォーやキングストン・トリオ・ピーター・ポール&マリーらが出現し、彼らが世界的にもフォーク・ミュージックを一般的なポップスとして知らしめる事となった。
The Brothers Four
Peter,Paul&Mary
【Puff the Magic Dragon】
日本では、1960年代に、ウディ・ガスリーを敬愛していた岡林信康さん(以下敬称略)が「今日の仕事は辛かった〜♪」と歌った「山谷ブルース」が庶民の暮らしを嘆いたプロテストソングの始まりなのでしょうか?並行して「バラが咲いた / マイク眞木」や「若者たち / ブロードサイド・フォー」がポップスとしてのフォークを確立させ、大ヒットさせる事となる。
マイク眞木【バラが咲いた】
1970年年代になると、吉田拓郎・井上陽水を両巨頭とする「フォーク黄金期」に突入し、様々なアーチストが負けず劣らずで台頭してくる。その黄金期晩年に登場したのが、松山千春、その後の長渕剛。この時期あたりが最後のフォーク、シンガーソングライターといったところ。
吉田拓郎【旅の宿】
松山千春【季節の中で】
※不肖、清須邦義アレンジです。
その時代からは、いわゆるプロの作詞家、作曲家が手がけた曲ではなく、シンガーソングライターの始まりでもあり、その流れから荒井由実(松任谷由実)や桑田佳祐といったニューミュージックの時代へ移行して行く。アメリカではウエスト・コーストの時代へ突入。
荒井由実【ルージュの伝言】
その後フォークは何処に行ったのか? というと、日本のフォークロア(民族音楽)的なヒットとしては「さとうきび畑 / 森山良子」「涙そうそう / 夏川りみ」のようなヒット曲が、かろうじて、それにあたるのでしょうか。
森山良子【さとうきび畑】
さて、こうした経緯を経て、2017年現在ではフォークの印象は、アコギを抱えている、もしくはアコギをメインとしたアンサンブル・アレンジをしているアーティストという事になりますねえ。フォークの歴史を継承している訳ではなく、アコギがメインのポップス・アーティスト、フォークミュージックというよりアコギ色が強いというジャンルになりました。
MIWA 出典:PR TIMES
『Princess』
これらを私は勝手にアコギポップ「アコポ」と呼ぶことにしました。
アコポの時代到来です( ^ω^ )。
アメリカでも、アイリッシュ・スタイルであるとかカントリーはスタンダード化していますが、今やフォークは見当たらず、ほとんどがアコポです。奏法もフォークスタイルではなく、新時代のアコギ奏法だと思います。
私はこのアコポ・スタイルのアンサンブル/アレンジが大好きで、事あればYoutubeを放浪し、そんなアーチストの奏法を参考にさせて貰っています。
★Boyce Avenue
ギター2本ですが、それで充分というアンサンブルがとてもいいです。
という訳でフォークは衰退してしたかも知れませんが、「アコポ」としてアコギはいまだ魅力的に健在しているというお話し、アコギも旧態依然なスタイルでなく、ポップスとして新鮮な奏法を取り入れて行きたいものですね。